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大阪地方裁判所 昭和34年(ワ)3716号 判決 1963年1月17日

主文

被告は原告に対し金二五万円及びこれに対する昭和三四年九月六日から支払ずみまで年六分の割合による金員を支払え。

原告のその余の請求を棄却する。

訴訟費用はこれを二分し、各自、その一を負担とする。

この判決は原告勝訴部分に限り、金八万円の担保を供するときは、仮に執行できる。

事実

原告訴訟代理人は「被告は原告に対し金五八万円及びこれに対する昭和三四年九月六日から支払ずみまで年六分の割合による金員を支払え。訴訟費用は被告の負担とする。」との判決並びに仮執行の宣言を求め、その請求原因として、

一、原告は、宅地建物取引の仲介を業とする株式会社である。

二、被告は原告に対し昭和三三年九月末頃訴外長岡徳蔵弁護士らを通じ、二千万円程度の家屋敷を購入する希望を述べたので、原告は、その頃訴外矢辺清兵衛の所有であつた別紙目録記載の不動産(以下本件不動産という)その他二、三の目ぼしい売却可能物件を被告に紹介した。そのため本件不動産の買取りを希望するに至つた被告は、その頃原告に対し、同売買の仲介を依頼したので、原告はこれに応じて右仲介をなし、当初に価格二、五〇〇万円を主張した売主とも再三交渉した結果、昭和三三年一一月三日被告は本件不動産を代金一、七〇〇万円で買受けることができ、同年一二月一五日右売買は完了した。

三、従つて原告は被告に対し、右媒介に対する報酬金債権を有するところ、宅地建物取引業者たる原告の受くる報酬額については昭和二八年大阪府告示一七一号、大阪府宅地建物取引業者報酬額表により、売買価格二〇〇万円以下の部分は一〇〇分の五以内、二〇〇万円をこえ五〇〇万円以下の部分は一〇〇分の四以内、五〇〇万円をこえる部分は一〇〇分の三以内とする旨定められており、これに基いて計算した原告の本件報しゆう額は金五八万円である。

四、よつて原告は被告に対し、右五八万円及びこれに対し本件訴状に代る準備書面が被告に送達された日の翌日である昭和三四年九月六日から右支払ずみまで商事法定利率年六分の割合による遅延損害金の支払を求める。

と述べた。

被告訴訟代理人は「原告の請求を棄却する。訴訟費用は原告の負担とする。」との判決を求め、答弁として、

原告主張事実中、訴外矢辺清兵衛と被告との間に本件不動産を、原告主張の頃、その主張の価格で売買する旨の契約が成立し、且つ履行されたことは認めるが、その余の事実はすべて争う。

殊に、被告は原告に対し本件売買の仲介を依頼したことは全くない。また、本件不動産の取引につき当事者間に介在して取引完了のため行動した者は原告だけではなくかつ、原告は売主側に立つて売主の利益のため行動していたものである。

と述べた。

証拠(省略)

別紙

目録

大阪市住吉区帝塚山中二丁目六二番地

一、宅地 六一〇坪六合七勺

同所同番地上

一、木造瓦葺平家建居宅

建坪 一一八坪四合八勺

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